【福岡市】『石塁遺構展示室』福岡市博多区に残る元寇防塁跡!?が見学できる博多小学校地下の展示室。

中世鎌倉時代の末期、博多湾に朝鮮半島の高麗の兵を中心とする元の軍勢が進行してきました。歴史の教科書で習う元寇です。この合戦に於いて鎌倉幕府軍は圧倒的な強さで一蹴し、元の軍勢を壊滅させるわけですけども、再度の襲撃に備えて博多湾に面した地域に石塁を築きました。

それが元寇防塁で、総延長は約20キロメートル。博多小学校の敷地内からみつかったこの石塁遺構は、その一部ではないかと推測されています。

石塁展示室

石塁展示室があるのは福岡市博多区、博多小学校の南側に隣接する奈良や公民館の地下。博多の旧市街が残る地域で、近くには寺町地区の寺院が建ち並んでいます。

少しだけ開けられていたゲートから中に入ると、右手に石塁展示室公開中とかかれた看板が見えます。奥に見えている建物は博多小学校の校舎で、その手前の広場は運動場です。

以前は土曜と日曜の週二日間の公開だったのですが、今は日曜だけになっているようです。時間も10時から17時だったのが、終わりが16時に書き換えられています。

入場は無料なので扉を開けて中に入り、地下へと続く階段を降りていくと受付のスタッフがいます。学芸員や解説のスタッフではないので、一声かけてから勝手に見学します。

室内に入ってまず目につくのが石塁の遺構、発掘された姿のまま保存されているそうです。

壁には有名な肥後国御家人竹崎季長(たけざき・すえなが)が書かせたと伝わる、蒙古襲来絵詞の一部がありました。まずは息の浜の陣、息の浜は博多の海岸なのでまさにこの場所です。

この絵は生の松原を描いた様子。博多からだいぶ西の方角にある浜だけれども、石築地と呼ばれた石塁が描かれていることからここに紹介されているのでしょう。

絵をみて振り向くと、まさに同じ石塁が目の前に連なっています。ちょうど西を向いて撮影しているので、当時はこのままずっと海岸線を絵に書かれた生の松原まで続いていた事でしょう。

石積みが綺麗に残っていた部分をアップで撮影してみました。

石の積み方や構造が他の地点で見つかっている元寇防塁に類似しているのですが、全体の繋がりなどもっと調査しないとはっきりと断定はできないそうです。そのため、防塁ではなく石塁と呼ばれているんですね。

博多や福岡市中心部に築かれていた石塁は、福岡城築城の際に多くが解体されてしまったそうです。なので、福岡城の石垣には元寇防塁の石が多く使われてるはずなんですよね。

当時の海岸線と、元寇防塁が見つかっている場所が書かれたパネルです。

石塁が見つかった時の様子を写した写真。博多の町は2000年の歴史があると言われていて、工事の度にいろんな遺構が見つかる事でも有名です。

鎌倉時代、元寇当時の博多の浜の様子を表した模型。

陸地側からみた石塁遺構。福岡市内で元寇にまつわる場所については、ハカテンというサイトが現地レポートみたいなのを書いているのでよかったら見てみるといいかも。

「赤坂・鳥飼」元寇文永の役、博多を巡る鎌倉武士団の戦い現地レポート

そのほか、壁には太閤検地によって再建された17世紀初頭の博多の町、その想像図が貼られていました。

神屋宗湛屋敷跡

石塁遺構展示室がある博多小学校の敷地は、豊臣秀吉に重用された博多の豪商「神屋宗湛」の屋敷跡でもあります。神屋宗湛は豊臣秀吉による九州征討にあたっては最大のスポンサーとして資金を提供し、朝鮮出兵時には後方の兵站を担うなど豊臣政権に深くかかわりました。

現在、神屋宗湛屋敷に関する遺構は何も残っていません。戦前には庭が残っていて、石田三成が腰かけたという石田の腰掛石や、織田有楽斎など多くの大名が訪れたという茶室があったそうです。

今、この地に残っているのは、神屋宗湛が豊臣秀吉を祀っていたということから明治になって秀吉を祀る豊国神社が建てられました。

かつて宗湛屋敷の二話にあったとされる灯篭は、中央区天神のヒューリックビルにひっそりと置かれています。

豊臣秀吉が博多の豪商「神屋宗湛」に送った火炎燈籠が天神に!戦火を逃れた歴史遺物/ハカテン

石塁遺構展示室の情報

『石塁遺構展示室』

住所・地図:福岡市博多区奈良屋町1-38(Googleマップへ)

※この記事の情報は、僕が訪問した時のものです。最新のものではありませんので、詳しくはご自身で最新情報を確認してください。

  • 撮影可
  • 駐車場無し
  • 公開は日曜日のみ(2021年10月現在)
  • 時間は10時から16時(2021年10月現在)

>>石塁遺構展示室(福岡市公式観光サイトよかなび)

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